アルパカの毛糸とは?特徴と混率・糸の作りの違い、洗い方まで解説

通販や手芸店で「アルパカ」と名前の付いた毛糸を見かけても、どんな糸かわからず、手に取るのをためらったことはありませんか。
アルパカの毛糸は、ラクダ科の家畜であるアルパカの毛から作る糸です。
この記事では、何の毛かに加え、種類と呼び方の違い、毛と毛糸の4つの特徴、混率と糸の作りの比べ方、洗い方をまとめました。
読み終えたあとは、品質表示の割合と糸の作りを読み比べて、編みたい作品に合う糸を選べるようになります。
アルパカの毛糸はアンデスで飼われるラクダ科の家畜の毛から作る

アルパカは、毛をとるために南米のアンデスで飼われている、ラクダ科の家畜です。
商品名に動物の名前がそのまま入っていると、どんな動物の毛なのかが気になりますよね。
アルパカは、ペルー南部と、そこに接するボリビア、アルゼンチン北部の、標高4200〜4800mの高地で放し飼いにされています。
毛は衣類やカーペットに使われ、毛で作った製品の名前もアルパカです。
原毛の色はアイボリーやグレー、ベージュ、ブラウンなどさまざまで、色数には22色とも25色ともいう説があります。
毛刈りは2年ごとで、1頭が一生に刈られるのは3〜4回、1回にとれる毛は約3kgです。
アルパカの種類とベビーアルパカで知っておきたい2つの区分

アルパカの毛には、ワカイヤとスリという種類の違いがあり、ベビーアルパカという呼び方もあります。
糸のラベルで「ベビーアルパカ」の文字を見かけて、ふつうのアルパカと何が違うのか気になった人も少なくありません。
知っておきたい区分は、次の2つです。
- ワカイヤとスリは毛の形が違う2つの種類
- ベビーアルパカの呼び方は情報源によって違う
2つの区分を知っておくと、アルパカの毛糸の説明に出てくる呼び名を、戸惑わずに読めるようになります。
1つずつ見ていきましょう。
区分1.ワカイヤとスリは毛の形が違う2つの種類
アルパカにはワカイヤとスリの2つの種類があり、毛の形が違います。
一般的なのはワカイヤで、ふわふわとした、もこもこの毛が特徴です。
スリは数の少ない種類で、ワカイヤより長い毛をもちます。
区分2.ベビーアルパカの呼び方は情報源によって違う
ベビーアルパカという呼び方が指す毛は、情報源の間で一致していません。
一例として、生後3か月くらいの子から櫛ですいて取った毛を、ベビーアルパカと呼ぶ説があります。
ハマナカのアルパニカは、品質表示に「ベビーアルパカ」の語を添えた毛糸です。
アルパカの毛と毛糸の4つの特徴

4つの特徴のうち、3つは毛そのものの性質、1つはアルパカの割合が高い糸で起きることです。
「アルパカは暖かい」「肌ざわりがよい」と聞いていても、編み始める前に、どんな性質の糸なのかを確かめておきたいですよね。
紹介する特徴は、次の4つです。
- 毛は長くしなやかで光沢がある
- 保温性と肌ざわりに優れ表面がなめらか
- 毛玉はできても目立ちにくい
- 割合が高い糸はメリヤス編みの目がゆがむことがある
4つの特徴を知っておくと、首に巻く小物やセーターなど、編みたいものに合わせて糸を選ぶ手がかりになります。
順番に見ていきましょう。
特徴1.毛は長くしなやかで光沢がある
アルパカの毛は長く、しなやかで、光沢があります。
毛は細く、やわらかです。
毛の長さは10〜12cmで、長いところでは40cmに達します。
特徴2.保温性と肌ざわりに優れ表面がなめらか
アルパカの毛は保温性と肌ざわりに優れ、やわらかく、表面がなめらかです。
ただし、肌がチクチクするかどうかを分ける繊維の太さには、いくつかの説があります。
首や顔まわりにふれる作品を編むなら、糸を手に取って肌に当て、感触を確かめてみてください。
特徴3.毛玉はできても目立ちにくい
アルパカのような動物の毛の毛玉は、できても目立ちにくいのが特徴です。
動物の毛の糸にも毛玉はできるものの、できた毛玉は編み地から落ちやすく、表面に残りにくくなります。
できた毛玉は手でむしらず、編み地を平らにのばしてから、ハサミで根元だけを切ってみてください。
手でむしると、むしったところからまた毛玉ができるためです。
特徴4.割合が高い糸はメリヤス編みの目がゆがむことがある
アルパカの割合が高い糸をメリヤス編みで編んだとき、編み目がゆがんだり、ひっくり返ったりすることがあります。
メリヤス編みは、表目だけでできた編み地です。
モヘアの糸でも、同じことが起こる場合があります。
ゆがみを目立たせたくないときは、メリヤス編みだけの無地ではなく、模様編みや、色を組み合わせる配色にしてみてください。
アルパカの毛糸を選ぶときに比べたい混率と糸の作り

アルパカの毛糸を選ぶときは、混率と糸の作りの2つを比べると、糸ごとの違いが見えてきます。
混率とは、糸に入っている繊維の割合のことで、品質表示に%で書かれている数字です。
「アルパカ」と名前の付いた糸がいくつも並んでいると、何を選べばよいのか迷ってしまいますよね。
比べたいポイントは、次のとおりです。
- アルパカの割合と混ぜる相手は糸ごとに違う
- 糸の作りはストレートやリリヤーンなどに分かれる
2つを比べられるようになると、名前だけではわからない糸の違いを、ラベルと商品の説明から読み取れます。
1つずつ見ていきましょう。
ポイント1.アルパカの割合と混ぜる相手は糸ごとに違う
アルパカを含む糸でも、アルパカの割合と、ほかに混ぜる繊維は糸ごとに違います。
ハマナカ(リッチモアを含む)・DARUMA・内藤商事が公式に出す糸から、アルパカを含む11本を選びました。
表は、アルパカの割合が低い順です。
| 糸の名前(メーカー) | 品質 | 重さ・長さ | 使用針 |
|---|---|---|---|
| アランツィード(ハマナカ) | ウール90%、アルパカ10% | 40g玉巻き(約82m) | 棒針8〜10号/かぎ針8/0号 |
| GEEK(DARUMA) | ウール56%・ポリエステル30%・アルパカ14% | 30g(約70m) | 棒針12〜13号・かぎ針9/0〜10/0号 |
| ソノモノ アルパカリリー(ハマナカ) | ウール80%、アルパカ20% | 40g玉巻き(約120m) | 棒針8〜10号/かぎ針8/0号 |
| ソノモノ アルパカブークレ(ハマナカ) | ウール80%、アルパカ20% | 40g玉巻き(約76m) | 棒針8〜10号/かぎ針7/0号 |
| エアリーウールアルパカ(DARUMA) | ウール(メリノ)80%・アルパカ(ロイヤルベビーアルパカ)20% | 30g(約100m) | 棒針5〜7号・かぎ針6/0〜7/0号 |
| エブリデイアルパカチャンキー(内藤商事) | アクリル80%、ベビーアルパカ20% | 100g玉巻き 約60m | 棒針10mm/かぎ針10mm |
| ソノモノ アルパカウール(ハマナカ) | ウール60%、アルパカ40% | 40g玉巻き(約60m) | 棒針10号〜12号/かぎ針8/0号 |
| アルパニカ(ハマナカ) | アルパカ50%(ベビーアルパカ)、ウール50% | 30g玉巻き(約140m) | 棒針7〜8号/かぎ針6/0号 |
| ソノモノ ヘアリー(ハマナカ) | アルパカ75%、ウール25% | 25g玉巻き(約125m) | 棒針7〜8号/かぎ針6/0号 |
| アルパカレジェーロ(ハマナカ リッチモア) | アルパカ(スーパーファインアルパカ)75%、ナイロン25% | 50g玉巻き(約225m) | 棒針10〜11号 |
| インディシタDK(内藤商事) | ベビーアルパカ100% | 50g 約112m | 棒針5〜7号/かぎ針4/0号〜6/0号 |
表の11本では、アルパカの割合はアランツィードの10%からインディシタDKの100%まで開きがあります。
表の糸で混ぜる相手の多くはウールで、ほかにはポリエステル・ナイロン・アクリルです。
名前にアルパカと入ったソノモノ アルパカリリーでも、アルパカの割合は20%で、ウールが80%を占めます。
反対に、アランツィードやGEEKは、名前にアルパカと入っていなくてもアルパカを含む糸です。
表の品質欄には、アルパカに「ベビーアルパカ」「ロイヤルベビーアルパカ」「スーパーファインアルパカ」の語を添えた糸があります。
添える語の選び方も、メーカーによってさまざまです。
アルパカの入り具合を知りたいときは、糸の名前より先に、品質表示の%を見てみてください。
品質表示では、アルパカの毛を「アルパカ」と書くことも、「毛」と書くこともできます。
ラベルに「毛」とあっても、羊の毛だけとは限りません。
「毛」とだけある糸は、商品の説明でアルパカが入っているかを確かめてみてください。
ポイント2.糸の作りはストレートやリリヤーンなどに分かれる
アルパカ混の糸は、ストレート、リリヤーン、ブークレ、起毛、パイル状のように、作りの違う糸に分かれます。
ストレートヤーンは太さと糸のよりが一定の糸、リリヤーンは細い糸を筒状に編み立てた糸です。
ブークレは、糸の回りにループがついた形の糸を指します。
表の糸のうち7本を作りで分けると、次のとおりです。
- ストレート:ソノモノ アルパカウール
- リリヤーン:ソノモノ アルパカリリー、アルパニカ、GEEK
- ブークレ:ソノモノ アルパカブークレ
- 起毛:ソノモノ ヘアリー
- パイル状:エアリーウールアルパカ
ソノモノ アルパカブークレは、紡績しながらループの形を作るブークレヤーンで、ボア生地のような編み地に仕上がります。
ソノモノ アルパカリリーは、空気を多く含む構造で、暖かい作品に仕上がる糸です。
エアリーウールアルパカは、糸の表面をパイル状にする紡績方法で、軽さもあわせ持ちます。
GEEKは、リリヤーンの形で軽く、編みやすい糸です。
ソノモノ ヘアリーは、起毛させたヘアリータイプの糸で、毛が抜けやすく、摩擦や静電気でほかの服につく場合があります。
コートやセーターの上に巻くマフラーなら、毛の抜けやすさも糸選びで気にかけたい点です。
軽さや暖かさ、毛の抜けやすさは糸ごとに違うので、選ぶ前に商品の説明を読んでみてください。
アルパカの作品を洗う2つの手順

アルパカの作品は、洗濯機を使えるかを先に確かめ、手で洗うときはウールと同じ手順で洗います。
編み上げたアルパカのマフラーを家で洗って縮ませないか、心配になりますよね。
洗うときの手順は、次の2つです。
- 洗濯機を使えるかを糸や作品ごとの説明で確かめる
- 手で洗うなら水温と洗剤と洗い方をウールに合わせる
2つの手順を押さえておくと、洗う日に何から始めればよいか迷わずに済みます。
ステップごとに見ていきましょう。
ステップ1.洗濯機を使えるかを糸や作品ごとの説明で確かめる
アルパカを含む作品を洗濯機で洗えるかどうかは、糸や作品によって違います。
一例として、ハマナカ ディーナ(ウール74%・アルパカ14%・ナイロン12%)は、洗濯機を使って丸洗いできる糸です。
反対に、60(ろくまる)の空気を編むアルパカスヌードⅡは洗濯機で縮むため、中性洗剤を使って手で洗います。
衣料品と違い、毛糸には洗濯表示を付ける義務がありません。
洗濯機にかける前に、使った糸の商品ページや、キットの作り方にある洗い方の説明を読んでみてください。
ステップ2.手で洗うなら水温と洗剤と洗い方をウールに合わせる
アルパカの作品を手で洗うときは、ウールと同じ水温・洗剤・洗い方で洗います。
使う水は30℃以下、洗剤は中性洗剤です。
水温が高いと、素材によっては縮んだり、色が落ちたり、風合いが変わったりすることもあります。
洗い方は押し洗いです。
指を少し開いた手で作品を押しては離し、ふんわりと浮いてきたらまた押します。
洗っている間は、もんだり、こすったり、ねじったりしません。
すすいで軽く脱水したら形を整え、すのこなど平らな板の上に広げて、日の当たらない場所で干してみてください。
動物の毛は紫外線に弱く、直射日光に当たると黄ばみや色あせが起きます。
毛糸を店頭で触って選べる下北沢のKnit Shelf

Knit Shelfは、取り扱う銘柄の毛糸を手に取り、見比べてから買える下北沢の毛糸店です。
品質表示や商品の説明を読み比べたあとで、最後は実物の色や太さを見て決めたい日もありますよね。
当店が扱う銘柄は、DARUMA、ハマナカ、内藤商事、sawada itto、taiyo-keito、itobatake、KnitWit、丸安毛糸の60(ろくまる)です。
毛糸は1玉から購入できます。
店員への相談は、糸選びでも、作品に何玉いるかでも大丈夫です。
店内に編み物スペースがあり、家で編んでいた作品を持ち込むだけの利用もできます。
当店で買った毛糸を、その日のうちに編み始める場所としても使ってみてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 〒155-0033 東京都世田谷区代田6-6-1 TOKYU REIT下北沢スクエア3階 |
| アクセス | 井の頭線 下北沢駅西口北側から徒歩2分 |
| 営業時間 | 11:00〜17:00 |
| 定休日 | 不定休 |
| @knitshelf |
休みの曜日は月ごとに変わるので、来店の前に@knitshelfの投稿を確かめてみてください。
まとめ
アルパカの毛糸は、アンデスの家畜アルパカの毛から作る糸です。
毛は長く光沢があり、保温性と肌ざわりに優れ、毛玉はできても目立ちにくくなります。
アルパカの割合が高い糸なら、メリヤス編みの目がゆがむ場合もあると知っておくと安心です。
選ぶときは混率と糸の作りを比べ、洗う前に洗濯機を使えるか確かめ、手洗いはウールと同じ手順にします。
Knit Shelfは、店で扱う銘柄の毛糸を触って選べる、下北沢の店です。