棒針編みとは?初心者がそろえる道具から作り目・表目・裏目・伏せ止めまで

冬に向けて棒針編みを始めたいと思っても、何をそろえて、どこから覚えればいいのか迷うことがあります。
棒針編みは、指でかける作り目・表目・裏目・伏せ止めの4つを覚えれば、1枚の編み地を最後まで編める編み物です。
本記事では、練習の1枚のためにそろえる針と糸から、作り目・表目・裏目・伏せ止めの手の動きまでを順に紹介します。
手順で使う用語と、初心者によくある質問への答えもまとめました。
読み終えたら、練習の1枚を最初の1目から最後の伏せ止めまで、ひと通り編み進められるようになりますよ。
棒針編みとは?棒針にかけた目を移しながら編む編み方

棒針とかぎ針のどちらで編み物を始めるか、決めかねている人は少なくありません。
棒針編みは、左手の棒針にかかった目を、右手の棒針で1目ずつ編みながら移していく編み方です。
目は、編み物を形づくる最小の単位で、編み目1つ分を指します。
かぎ針編みとの違いを、道具・編み地・糸の使用量で比べると次のとおりです。
| 項目 | 棒針編み | かぎ針編み |
|---|---|---|
| 道具 | 棒針 | かぎ針1本 |
| 編み地 | 薄くて、よく伸び縮みする | 厚みがあり、あまり伸び縮みしない |
| 糸の使用量 | 少なめ | 多め |
棒針編みの基本の目は、表目と裏目の2つです。
同じ編み目でも、表から見ると表目、裏から見ると裏目と呼び分けます。
見た目は、表目がV型、裏目が∩型(横に連なる波のような形)です。
2つの形を覚えておくと、編み地を見たときに、表目か裏目かを見分けられます。
初心者が棒針編みを始めるときにそろえる針と糸

売場で棒針や毛糸の種類の多さを前にして、何を選べばいいのか手が止まってしまうのも無理はありません。
練習の1枚なら、針の種類・針の太さ・糸の3点を見ておけば、必要な道具がそろいます。
解説するのは次の3つです。
- 針は往復に編める玉付き2本針を選びとじ針も用意する
- 針の太さは号数とmmで表され毛糸のラベルで選ぶ
- 練習の糸は編み目が見やすい太さと色で選ぶ
3つを知っておけば、売場で迷う時間が減り、最初の1枚をすぐに編み始められます。
1つずつ見ていきましょう。
準備1.針は往復に編める玉付き2本針を選びとじ針も用意する
練習の1枚を編むなら、針は玉付き2本針を選び、とじ針もいっしょに用意しておくと安心です。
棒針には、用途の違う3つの種類があります。
| 種類 | 用途 |
|---|---|
| 玉付き2本針 | 往復編み。端の玉が、針から目が抜けるのを防ぐ |
| 4本針・5本針 | 輪編み。靴下・帽子・手袋のような小さい筒 |
| 輪針 | 輪編みと往復編みの両方。大きな筒(セーターの身頃など)や広い平面 |
往復編みとは、行って戻ってをくり返して編む方法のことで、1列編むたびに編み地の表と裏が入れ替わります。
輪編みは、表側だけを見ながら、筒や円の形にぐるぐると同じ向きに編む方法です。
練習の1枚は往復編みで編むので、玉付き2本針があれば編めます。
とじ針は、糸端を編み地の中に通して目立たなくするときや、編み地どうしをとじ合わせるときに使う針です。
準備2.針の太さは号数とmmで表され毛糸のラベルで選ぶ
棒針の太さは、毛糸のラベルにある使用針の号数に合わせて選びます。
0号の針は2.1mm、15号の針は6.6mmです。
0号から15号までは、号数が1つ大きくなるごとに0.3mmずつ太くなります。
15号より太い針の表示は、号数ではなく7mmや8mmのようなmmの数字です。
ラベルによっては、使用針の号数と並んで標準ゲージも載っています。
標準ゲージは、表側に表目だけが並ぶメリヤス編みを、ラベルどおりの号数で編んだ場合の目安です。
10cm四方に入る目の数と、横の列(段)の数で示されます。
並太や極太といった呼び名ごとの号数の目安は、示す出典ごとに範囲がそろっていません。
個々の糸に合う号数は、糸ごとのラベルにある使用針の欄を見て決めてみてください。
準備3.練習の糸は編み目が見やすい太さと色で選ぶ
練習の糸には、太めのストレートヤーン、なかでも並太のウールの明るい色をおすすめします。
ストレートヤーンとは、太さが均一で、よりのかけ方もそろった、シンプルな作りの糸のことです。
黒や紺などの濃い色を選ぶと、編み目が見分けにくくなります。
練習のうちは、糸を1本だけで編む1本どりが編みやすいです。
迷ったら、明るい色の糸を何玉か手に取り、1本の太さを見比べてみてください。
編み始める前に覚えておきたい棒針編みの用語

動画や本で作り方を見ても、知らない言葉が出てきて手が止まってしまうのは、はじめのうちはよくあることです。
用語の意味が頭に入っていると、手順の説明を言葉でつまずかずに読み進められます。
覚えておきたい言葉は次のとおりです。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 作り目 | 最初に針にかける、編み始めの土台になる1段 |
| 指でかける作り目 | 編む糸と針のほかに道具を使わずに作れる作り目。伸び縮みがあり、薄く仕上がる。糸の端のほう(糸端側)を左手の親指に、糸玉につながるほう(糸玉側)を人差し指にかけ、右手に持った針で作る |
| 段 | 横一列に並んだ目のまとまり。作り目を1段めと数える |
| 持ち替える | 1段編み終えたら、編み地を裏返して、目のかかった針を左手に持ち直すこと |
| 端の目 | 左の針にかかった目のうち、いちばん針先に近い目。次に編む目 |
| 伏せ止め | 編み終わりに、針にかかった目を止めるときの基本のやり方。止めたところは伸び縮みしない |
| 糸始末 | 残った糸端を、とじ針で編み地に入れ込んで目立たなくすること |
| フランス式 | 糸を左手の人差し指にかけ、右の針先で糸を引っかけて編む持ち方。糸玉側の糸は、人差し指にかけたうえで中指・薬指・小指で軽く握り、針までの糸を張る |
| アメリカ式 | 糸を右手にかけ、右手で針に糸をかけて編む持ち方 |
本記事の手の動きは、フランス式で説明します。
持ち方は、フランス式とアメリカ式のどちらで編んでもかまいません。
ただし、1つの作品の途中では、持ち方を変えずに編み通します。
棒針編みのやり方を作り目から伏せ止めの基本の6つの工程で紹介

動画を止めながら見ても指の動きを追いきれなかった人に向けて、手の動きを文章で順に追える形にまとめました。
練習の1枚では、作り目のあと表目を先に覚え、裏目の段を交互に入れてから、伏せ止めで編み終えます。
理由は、表目に慣れてから裏目に移れるからです。
往復編みでは、表を見て編む段と裏を見て編む段が1段ずつ交互になります。
作り目の1段めは表を見て編む段で、奇数段が表を見て編む段、偶数段が裏を見て編む段です。
編み地を表から見ると、表を見て編む段は右から左、裏を見て編む段は左から右へ進み、段ごとに向きが逆になります。
輪に編む方法は、本記事では扱いません。
工程は次の6つです。
- 糸端を長めに残して作り目の1目めを作る
- 指でかける作り目で2目めから必要な目数まで作る
- 2段めと3段めは表目だけで往復する
- 4段めで持ち替えたら裏目に切り替える
- 5段めからは奇数段を表目で偶数段を裏目で編む
- 表目の伏せ止めで目を止め最後に糸始末をする
工程の順番と段ごとの編み方を頭に入れておくと、手を休めたあとでもすぐに続きを編めますよ。
順に見ていきましょう。
工程1.糸端を長めに残して作り目の1目めを作る
作り目は、糸端を長めに残した位置で輪を作り、輪を1目めにして始めます。
- 練習の目数は、標準ゲージで10cmに入る目の数を目安に決める
- 糸端は、編みたい幅の3〜3.5倍ほどの長さを残す
- 残した位置で、糸端側が手前に来るように、左手の人差し指と中指に糸を一周巻いて輪にする
- 糸が交差したところを、親指で押さえる
- 輪の中に、手前から向こうへ2本そろえた針を入れる(糸は指に巻いたまま)
- 糸端を引いて輪を針に締め、1目めにする(最初の輪も作り目の1目と数える)
- 1目めは、編み地を表から見て右端に来る
工程2.指でかける作り目で2目めから必要な目数まで作る
2目めからは、左手の指にかけた糸を針で引き出して、1目ずつ作り目を足していきます。
- 1目めの針を右手に持ち、左手の親指と人差し指に糸をかける
- 親指の手前側の糸に、下から針先を入れてすくう(糸は2本とも指にかけたまま)
- 人差し指の糸を、針先で上から引っかける
- 引っかけた糸を、親指の輪の中を通して手前へ引き出す
- 親指を輪から外す
- 親指に糸端側の糸をもう一度かけ、引いて目を締める
- 決めた目数ができるまで、同じ動きを続ける
- 最後に、針を1本抜く
目を作るたびに糸端側の糸が短くなるのは、正しい動きです。
途中で糸端が足りなくなったら、作り目をほどき、糸端を長めにとり直して作り直してみてください。
工程3.2段めと3段めは表目だけで往復する
作り目のすぐ上の2段めと3段めは、表目だけで編みます。
- 作り目の針を左手に持ち替え、糸はフランス式で持つ
- 端の目に、手前から向こうへ右の針を入れる(糸は向こう側)
- 針先を人差し指の糸の上側に当て、奥から手前へかける(下からすくうと目がねじれる)
- かけた糸を、目の中を通して手前へ引き出す
- 左の針から元の目を外す
- 左端まで編んだら持ち替え、3段めも表目で編む
工程4.4段めで持ち替えたら裏目に切り替える
4段めは裏目の段で、持ち替えたら糸を手前に置いてから編みます。
- 編み地を持ち替え、糸を左の針の手前に置く
- 端の目に、向こうから手前へ右の針を入れる(糸は手前側)
- 糸の上から針先を当て、人差し指を少し下げて糸を針にかける
- かけた糸を、目の中を通して向こう側へ引き出す
- 左の針から元の目を外し、工程3と同じく左端まで編む
右の針に糸がかかりにくいときは、人差し指で糸を下へ押してみてください。
工程5.5段めからは奇数段を表目で偶数段を裏目で編む
5段めからは奇数段を表目、偶数段を裏目で編み、2つの段を交互に重ねていきます。
- 持ち替えたら、手前の面に並ぶ目がV型なら表目、∩型なら裏目で次の段を編む
- 段の始めに、表目の段は糸を向こう側、裏目の段は手前に置く(段の途中では動かさない)
- 1段編むごとに針の目を数え、作り目の数と比べる
- 糸がなくなったら、段の端でゆるく結んで新しい糸で続ける
- 練習したい長さまで編み、最後は裏目の段で終える
工程6.表目の伏せ止めで目を止め最後に糸始末をする
最後の裏目の段を編んだら、次の段で表目の伏せ止めをして、糸始末で仕上げます。
- 持ち替えて、表目を2目編む
- 右の針の右側の目に、手前から左の針先を入れる(糸は向こう側のまま)
- 入れた目を左側の目の上に越させて、右の針から外す
- 表目を1目編んでは越させる動きを、左端までくり返す
- 右の針に1目残ったら、糸を切る
- 残った目に糸端を通して締める
- 途中で結んだ結び目があれば、ほどく
- とじ針に糸端を1本ずつ通し、編み地の裏側をくぐらせる
棒針編みの初心者によくある質問

数段編み進めると、作り目の様子や目の数、手の感覚が気になり始めるころです。
練習の1枚を編む途中で出やすい3つの疑問に、直し方まで答えます。
質問は次の3つです。
- 2段めで作り目の目と目の間の糸が伸びたらどうする?
- 編み目が詰まって右の針を入れにくいときはどうする?
- 目の数が作り目より増えたり減ったりしたらどうする?
先に知っておけば、同じところで手が止まっても、慌てずに編み直せますよ。
1つずつ答えていきます。
質問1.2段めで作り目の目と目の間の糸が伸びたらどうする?
目と目の間の糸が大きく伸びるときは、作り目からやり直してみてください。
作り直すときは、1目作るごとに親指で糸端側の糸を引いて、目を締めます。
目を針に沿わせ、目と目の間をあけずに作るのがコツです。
作り直すときも、工程2と同じく2本の針で作ってから1本抜きます。
質問2.編み目が詰まって右の針を入れにくいときはどうする?
目を右の針の先の細いところではなく、号数の太さの部分まで移してから、次の目を編んでみてください。
糸を引き出す量は、右の針で調整します。
左手の糸の張りを強めたり弱めたりしての調整は、当店ではおすすめしません。
目を移してもきついときは、針を1〜2号(0.3〜0.6mm)太くするのもひとつの方法です。
質問3.目の数が作り目より増えたり減ったりしたらどうする?
数が合わなくなった段は、編んだ目を1目ずつほどいて左の針に戻し、数が合っていたところまで戻って編み直します。
目が増えたときに見直したいのは、次の2つです。
- 段の始めに糸を針の上から向こう側へ回すと、端の目の根元が2本に分かれて2目に見え、両方を編んでしまう
- 糸の位置を変えるときに糸を針の上に通すと、1目増える(糸は2本の針の間を通して移す)
2目を一度に編んでしまうと、目が1目減ります。
棒針編みの最初の1玉を実物で選べる下北沢のKnit Shelf

はじめての1玉は、写真だけでは太さや色合いがつかみにくく、選ぶのに迷いがちです。
Knit Shelfなら、取扱銘柄の毛糸の太さや色合いを、手に取って見比べながら選べます。
扱っている銘柄は、DARUMA、ハマナカ、内藤商事、sawada itto、taiyo-keito、itobatake、KnitWit、丸安毛糸の60(ろくまる)です。
店頭の店員に糸選びを相談でき、毛糸は1玉から買えます。
編み方でわからないところが出てきたときも、店頭でたずねてみてください。
予約をしなくても使える編み物スペースが、店内にあります。
当店で買った毛糸を使う日はもちろん、途中まで編んだ作品を持参すれば、毛糸を買わない日でも使える場所です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 〒155-0033 東京都世田谷区代田6-6-1 TOKYU REIT下北沢スクエア3階 |
| アクセス | 井の頭線 下北沢駅西口北側から徒歩2分 |
| 営業時間 | 11:00〜17:00 |
| 定休日 | 不定休 |
| @knitshelf |
休みは月によって変わるため、来店予定の日が休みかどうかは、@knitshelfの投稿を見て確かめてみてください。
まとめ
練習の1枚のためにそろえるのは、玉付き2本針ととじ針、太めで明るい色の糸です。
用語を先に知っておき、6つの工程で作り目・表目・裏目・伏せ止めを練習の1枚に通してみてください。
練習の途中の編み地を持ち込んで続きを編める場所として、Knit Shelfには編み物スペースがあります。