日本製のニットとは?ラベルを付けるだけでは日本製にならない決まり

ニットのタグや通販ページに「日本製」とあると、どこまでを日本で作ったのか気になりますよね。
最後にタグを付けるだけでも日本製になる、という話を聞いて迷う人もいます。
ニットの「日本製」は、商品の原産国が日本であることを示す表示です。
原産国の表示の決まりをもとに、原産国の意味と原料の産地との違いを解説します。
毛糸のラベルで素材を見る方法と、原産国を商品ページで探す方法も取り上げました。
読み終えたあとは、ニットのタグや毛糸のラベルの表示を自分で読み分けられます。
ニットの日本製表示が示す原産国の3つのポイント

「日本製」のタグを見て、糸から日本で作ったのか、最後の仕上げだけを日本で行ったのかと気になった人は少なくありません。
原産国の表示については、消費者庁が、景品表示法にもとづく告示「商品の原産国に関する不当な表示」と、告示の運用基準・運用細則を案内しています。
タグの「日本製」は、中身を実質的に変える作業をした国が日本という表示で、タグを付けた国や原料の産地は示しません。
押さえておきたいポイントを3つに分けて紹介します。
- 原産国は商品の内容を実質的に変えた国
- ラベルを付けるだけでは日本製にならない
- 原料や生地の産地は原産国と別に書ける
3つを知っておくと、タグの「日本製」を見たときに、何が日本で行われたのかを落ち着いて読み取れますよ。
1つずつ見ていきましょう。
ポイント1.原産国は商品の内容を実質的に変えた国
原産国とは、「その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行なわれた国」を指します。
鉤括弧の部分は、告示の末尾の備考に書かれた定義です。
どの作業が実質的な変更にあたるかは品目ごとに違い、原産国の定義に関する運用細則の表にまとめられています。
一例として、表の衣料品の行で、ソックスに書かれた作業は「編立」、下着は「縫製」です。
一方で、表には「ニット」や「セーター」という品目名はありません。
ポイント2.ラベルを付けるだけでは日本製にならない
商品にラベルを付けたり包装したりするだけの作業では、原産国は変わりません。
最後に日本でタグを付ければ日本製になる、と聞くと、タグの見方に迷うこともありますよね。
実質的な変更に含まれない行為には、運用基準の十で次のようなものがあります。
- 商品にラベルを付けたり、ほかの標示をしたりすること
- 商品を容器に詰めたり、包装したりすること
- 商品を単に詰め合わせたり、組み合わせたりすること
- 簡単な部品を組み立てること
外国で作られたニットに日本でタグを付けても、タグ付けの作業で原産国が日本に変わることはありません。
ポイント3.原料や生地の産地は原産国と別に書ける
原産国は、原料や生地がどこで生まれたかを示すものではありません。
原産国と、原材料や生地の産地などを分けて書いた表示としては、運用基準の八の注に次のような例が並びます。
- 「日本製、生地は英国製」
- 「原材料をフランスから輸入し、○○株式会社 ΔΔ工場で製造」
- 「イタリヤのデザインにより、○○株式会社で縫製」
原料や生地の産地が書かれている場合は、原産国とは別の情報として並びます。
原料の産地を知りたいときは、「日本製」の文字とは別に、生地や原材料についての記載があるかを探してみてください。
国産のニットを示す書き方と不当な表示になる書き方

タグにブランド名が英語で大きく書かれていると、どこの国の商品なのか見当がつかずに戸惑いますよね。
国産品と明示していれば、外国の文字が目立つ国産のニットも、運用基準の例外を除き、告示が国産品に定める不当な表示にあたりません。
国内で作った商品に次のような表示があり、国産だと見分けにくいものは、告示が定める不当な表示です。
- 外国の国名、地名、国旗、紋章などの表示
- 外国の事業者やデザイナーの氏名、名称、商標の表示
- 文字による表示の全部または主な部分が、外国の文字で書かれた表示
国産品であることを明示する書き方には、運用基準の七で次のようなものがあります。
- 「国産」「日本製」などと明示する
- 「○○株式会社製造」「製造者○○株式会社」などと明示する
- 目立つようにして「Made in Japan」と表示する
衣料品の表示に関する運用細則の4では、「MADE IN JAPAN」と書いていても国産品だと見分けにくい書き方も、不当な表示の例です。
告示が定める不当な表示を行っていると認められた事業者には、消費者庁長官が措置命令などの措置を行います。
英語のブランド名が大きいタグを見かけたら、「日本製」や製造者の名前が添えてあるか、タグ全体を見てみてください。
毛糸のラベルで組成を見て商品ページで原産国を探す方法

日本製のニットに目が向くと、自分で編むための毛糸についても、素材やどこの国の糸なのかが気になってきますよね。
毛糸の表示では、素材をラベルで、原産国を商品ページで見る、と場所を分けると整理しやすくなります。
確かめる手順は次の2つです。
- 品質表示で繊維の名前と混用率を見る
- 原産国は商品ページに載っているかを見る
2つを知っておくと、素材の情報と、載っていれば原産国の情報も、自分で拾えるようになりますよ。
順番に見ていきます。
確認1.品質表示で繊維の名前と混用率を見る
毛糸の素材は、ラベルの品質表示にある繊維の名前と混用率で確かめます。
家庭用品品質表示法で手編み糸に求められる表示は、繊維の組成と、表示者の名前・連絡先の2つです。
繊維の組成では、決められた繊維の名前(指定用語)と、素材の成分の割合(混用率)を%で並べます。
羊毛を表す指定用語は、「毛」「羊毛」「ウール」に、英字の「WOOL」を加えた4つです。
羊の品種を表すメリノなどの名前は、指定用語の中にありません。
「毛」という名前は、羊毛のほかに、アルパカやカシミヤなどの獣毛にも使えます。
「毛100%」と書かれた糸が、羊毛でできているとは言い切れません。
羊毛かどうかを知りたいときは、「ウール」「羊毛」の表記や、繊維の名前のあとに添えた括弧書きを見てみてください。
確認2.原産国は商品ページに載っているかを見る
毛糸の原産国を知りたいときは、糸の商品ページに原産国が載っているかを見ます。
法律で求められる2つの表示に、原産国は入っていません。
一例として、内藤商事やsawada ittoには、商品ページに原産国を載せている糸があります。
内藤商事の糸では、商品ページの原産国が日本のものもあれば、イタリアやトルコのものもあり、糸ごとにまちまちです。
sawada ittoの糸でも、原産国の項目がない商品ページがあり、糸によって載せ方はそろっていません。
DARUMAの「メリノウール 並太」などの商品ページには、「生産国」という項目があります。
「メリノウール 並太」は、「生産国」の項目と原料の産地が別々に書かれている一例です。
生産国の項目には「日本」と書かれています。
原料のメリノウールは、南米産とオーストラリア産を合わせたものです。
生産国が「日本」でも、原料の産地まで日本とは限りません。
原産国と原料の両方を知りたいときは、商品ページの原産国や生産国の項目と、説明文を合わせて読んでみてください。
下北沢のKnit Shelfで毛糸のラベルを手に取って見比べる

品質表示を見比べたくても、画面の写真ではラベルの小さな文字が読み取りにくいものです。
Knit Shelfでは、扱っている銘柄の毛糸を手に取り、ラベルの品質表示を見比べられます。
当店で扱う銘柄は、DARUMA、ハマナカ、内藤商事、sawada itto、taiyo-keito、itobatake、KnitWit、丸安毛糸の60(ろくまる)です。
素材で迷ったときは、店頭の店員に糸選びを相談してみてください。
編み物スペースも用意していて、当店の毛糸で編むときにも、持ち込んだ編みかけの作品に取り組むときにも使えます。
買い物の予定がない日も、作品を持ってくれば使えるので、気軽に寄ってみてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 〒155-0033 東京都世田谷区代田6-6-1 TOKYU REIT下北沢スクエア3階 |
| アクセス | 井の頭線 下北沢駅西口北側から徒歩2分 |
| 営業時間 | 11:00〜17:00 |
| 定休日 | 不定休 |
| @knitshelf |
休む曜日は月によって変わります。
訪ねる日が営業日にあたるかどうか、Instagram(@knitshelf)でチェックしてみてください。
まとめ
ニットの「日本製」は、商品の中身を実質的に変える作業が行われた国、つまり原産国が日本であることを示す表示です。
ラベルを付けたり包装したりするだけでは日本製にならず、原産国は原料や生地の産地を示すものでもありません。
毛糸なら、素材はラベルの品質表示で確かめ、原産国は糸の商品ページに載っているかを見るのが近道です。
下北沢のKnit Shelfでは、毛糸を手に取ってラベルの品質表示を見比べられます。