細編みとは?裏山と目の頭に針を入れる向きから端の目の編み方も紹介

かぎ針の小物の作り方に「細編み」とあり、編んでみたものの、どこに針を入れるのかで手が止まることがあります。
編み進めるうちに目数が増えたり減ったりして、端がそろわなくなることもありますよね。
細編みは、針を入れる場所と向き、段の端の目の位置を押さえれば、目数をそろえて編める編み目です。
本記事では、裏山と目の頭に針を入れる向きから端の目の編み方まで、往復編みの手順で紹介します。
後半には、細編みを使った作品の例もまとめました。
読み終えるころには、目数のそろった1枚を編めるようになりますよ。
細編みとは かぎ針に糸を2回かけて1目を編む編み目

細編みは、1目を編むあいだにかぎ針へ糸を2回かける、かぎ針編みの編み目です。
作り方や編み図に「細編み」と書かれていても、どんな目なのか想像がつかないと、最初の1目から手が止まってしまいます。
細編みの編み目記号は「×」です。
かぎ針編みの編み地には、棒針編みに比べて厚く、伸び縮みしにくいという特徴があります。
編み間違えてもほどいてやり直しやすいのも、かぎ針編みのよさです。
細編みに使う道具とかぎ針と糸の持ち方

編み始める前に、道具をそろえて、かぎ針と糸の持ち方を決めましょう。
はじめてかぎ針を持つと、どちらの手で何を持てばよいのか、最初は迷ってしまいます。
準備は次の2つです。
- かぎ針と糸とはさみととじ針を用意する
- かぎ針は右手で持ち糸と編み地は左手で持つ
持ち方が決まると、手順を追いながら手元に集中しやすくなりますよ。
1つずつ見ていきましょう。
準備1.かぎ針と糸とはさみととじ針を用意する
細編みの練習に用意するのは、かぎ針・糸・はさみ・とじ針の4つです。
- かぎ針:先がかぎのように曲がった編み針。号数は数字に「/0号」をつけて表し、数字が大きいほど太い(同じ3/0号でも、メーカーによって直径が約2.2〜2.3mmと違う)
- かぎ針の選び方:毛糸のラベルに書かれた使用針の号数を参考にする
- 糸:練習の1枚には、太めでまっすぐな、明るい色の毛糸がおすすめ(黒や紺など濃い色だと、編み目が見えにくくなる)
- はさみ:編み終わりの糸と、糸始末で余った糸端を切る
- とじ針:編み物の始末に使う針で、最後の糸始末で使う
糸始末とは、編み始めと編み終わりに残る糸端を、編み地の中へ入れ込む処理を指します。
準備2.かぎ針は右手で持ち糸と編み地は左手で持つ
かぎ針は右手に、糸と編み地は左手に持ちます。
- 右手:かぎ針の平らなところ(指当て)を親指と人差し指で軽く持ち、中指を添える
- 右手:かぎ(先の曲がった部分)は下に向けておく
- 左手:糸玉からのびる糸を、小指と薬指のあいだから手のひら側へ通す
- 左手:通した糸を人差し指の上にかけ、人差し指を立ててピンと張る
- 左手:編み始めは糸端側を、作り目ができてからは編み地を、親指と中指でつまむ
細編みの手順に出てくる裏山や目の頭などの言葉と目の数え方

細編みの手順には、裏山や目の頭のように、ふだん使わない言葉がいくつも登場します。
言葉の意味がつかめないまま動画や本を見ても、どこに針を入れればいいのか迷ってしまいますよね。
手順に入る前に、言葉の意味を表で確かめておきましょう。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| くさり編み | かぎ針編みの基本になる編み方。表から見ると、2本の糸がV字のように連なって見える |
| 作り目 | 編み始めの土台。本記事の往復編みでは、くさり編みで作る |
| 裏山 | くさり編みを裏から見たときに、1目に1つずつ並ぶこぶのような1本の糸 |
| 目の頭 | 細編みの上側に、くさり編みに似た形で並ぶ2本の糸 |
| 立ち上がり | 各段の始めに編む、くさり編みの目 |
| ループ | かぎ針にかかっている糸の輪 |
| 引き出す | かけた糸を、目やループの中に通して手前へ出すこと |
| 引き抜く | 針にかかった複数のループの中を、かけた糸で一度に通すこと |
| 往復編み | 段ごとに編み地を裏返して、行きと帰りを交互に編む方法。表から見ると、段ごとに編み進む向きが右から左、左から右と入れ替わる |
| 持ち替える | 編み地を裏返して、いま編み終えた端が右に来るようにすること |
細編みの目数を数えるときの目印は、各段に並ぶ細編みの頭です。
細編みの段では、段の始めに編む立ち上がりのくさり編みを、目の数に入れません。
かぎ針編みの別の編み目である長編みでは、立ち上がりを1目と数えます。
作り目のくさり編みは、針にかかっている目を除いて数えましょう。
細編みのやり方 端の目に気をつけて往復編みで編み進める手順

細編みを編んでいて迷いやすいのが、段の端で次の目をどこに編むかです。
細編みの往復編みは、作り目から1段めを編んだあと、段の端で立ち上がりと持ち替えをくり返して段を重ねます。
細編みは輪に編むこともでき、輪編みは同じ方向にぐるぐると筒状や円形に編む方法です。
本記事では、往復編みで平らな1枚を編む方法を紹介します。
手順は次の5つです。
- くさりの作り目と立ち上がり1目を編む
- 1段めは作り目の裏山に1目ずつ細編みを編む
- 段の端で立ち上がり1目を編んでから持ち替える
- 2段めから先は前の段の目の頭に端の目から端の目まで編む
- 最後の段で糸を切り編み始めと編み終わりの糸端を始末する
段の端で何をするかが先にわかっていれば、目数をそろえたまま段を重ねられますよ。
順に見ていきましょう。
工程1.くさりの作り目と立ち上がり1目を編む
くさり編みで作り目を編み、そのまま立ち上がりの1目まで編みます。
- 糸端を残して、くさり編みで作り目を編み始める
- 練習の1枚なら、作り目は15cmより長くなるまで編む
- 作り目に続けて、立ち上がりにくさり編みを1目編む
工程2.1段めは作り目の裏山に1目ずつ細編みを編む
1段めは、作り目の1目めから反対の端の目まで、くさり編み1目ごとに細編みを1目ずつ編みます。
- 糸は、左手の人差し指から編み地の向こう側を通しておき、段の途中で手前に回さない
- 作り目の1目め(立ち上がりのすぐ次の目)の裏山に、針を手前から向こう側へ入れる(糸は編み地の向こう側)
- 糸は向こう側に置いたまま、針に糸を向こう側から手前へかけ、裏山の中を通して、くさり編み1目分の高さまで手前へ引き出す(針にループが2本かかる)
- もう一度、向こう側から手前へ糸をかけ、針にかかった2本のループを一度に引き抜く
- 次のくさり編みの裏山にも同じように編み、作り目の端まで進むと、作り目と同じ数の細編みが並ぶ
工程3.段の端で立ち上がり1目を編んでから持ち替える
段の端まで編んだら、先に立ち上がりを1目編み、そのあとで編み地を持ち替えます。
- 段の最後の細編みを編んだら、くさり1目で立ち上がる
- 編み地を持ち替える
工程4.2段めから先は前の段の目の頭に端の目から端の目まで編む
2段めからは、前の段の細編みの頭に1目ずつ編み、段の最初と最後の目の位置を守ります。
- 段の最初の細編みは、立ち上がりのすぐ下にある目(前の段で最後に編んだ細編み)の頭に編む
- 前の段の目の頭の2本の糸をすくうように、針を手前から向こうへ入れる(このときも糸は向こう側に置く)
- 糸のかけ方と引き抜き方は工程2と同じで、前の段の頭に1目ずつ編み進める
- 段の最後の細編みは、前の段で最初に編んだ細編みの頭に編み、前の段の立ち上がりには編まない
- 段を編み終えるごとに細編みの頭を数え、作り目の数と同じかを見る
- 段の端まで来たら、工程3に戻る
段の最初か最後の目を飛ばすと1目減り、前の段の立ち上がりに編むと1目増えます。
工程5.最後の段で糸を切り編み始めと編み終わりの糸端を始末する
段を重ねて最後の段まで編んだら、糸を切って止め、残った2本の糸端を始末します。
- 工程3と工程4をくり返して、段を重ねる
- 最後の段は、段の終わりの立ち上がりを編まずに終える
- 糸端を残して糸を切り、針に残った目から糸端を引き抜いて止める
- 2本の糸端(編み始めと編み終わり)をとじ針に通し、裏側の端の目に3〜4cmくぐらせる
- くぐらせ終えたら、余った糸端を切る
細編みの目数のずれや糸替えで迷ったときの疑問と答え

手順どおりに何段か編み進めると、端の形や編み目のきつさなど、細かな疑問が出てくるものです。
ここでは、次の3つの疑問に答えます。
- 段の目数が作り目と違ってきたらどうする?
- 編み目がきつくて針が入らなくなったらどうする?
- 編んでいる途中で毛糸玉が終わりそうになったらどうする?
答えを先に知っておくと、つまずいたときも慌てずに編み直せますよ。
疑問ごとに答えを見ていきましょう。
質問1.段の目数が作り目と違ってきたらどうする?
目数が合っていた段まで戻り、合わなくなった段からほどいて編み直します。
おかしいと感じたら、その段で目数を数えてみるのが当店のおすすめです。
段を編み終えるたびに数えておけば、ほどく段が少なくて済みます。
ほどいたあとは、工程4に戻って編み直してみてください。
質問2.編み目がきつくて針が入らなくなったらどうする?
右手で引き出す糸の量を少し多めにして、編み目にゆとりを持たせるのが当店のおすすめです。
左手の糸は準備2の持ち方のまま張っておき、加減は右手で引き出す量で行います。
引き出す量を変えてもきついときは、1〜2号太いかぎ針に替えて編んでみるのも一つの方法です。
質問3.編んでいる途中で毛糸玉が終わりそうになったらどうする?
段の端まで編み進めてから、新しい糸に替えましょう。
替える場所は、その段の最後の細編みで、仕上げの引き抜きを新しい糸で行うところです。
古い糸と新しい糸の糸端は、編みくるまずに残しておきます。
2本の糸端は、編み終えたあとで、工程5と同じく裏側の端の目にくぐらせておきましょう。
細編みが使われているマフラーやシュシュなどの作品

練習の1枚を編み終えると、次は何を編もうかと考えたくなりますよね。
細編みが使われている作品には、細編みを並べて編み進めるものや、ほかの編み目と組み合わせて部分的に使うものがあります。
ここでは、メーカーが公開している作り方から、細編みが使われている作品の例を4つ選びました。
- マフラー
- シュシュ
- ミトン
- ストール
作品のどこに細編みが使われているかを知っておくと、次に編む作品を選ぶ手がかりになります。
順番に見ていきましょう。
作品1.マフラー
マフラーには、細編みで編み進める作り方があります。
作り方の中の、くさり編み1目で立ち上がってから細編みを編む工程は、工程1と工程2で練習した編み方と同じです。
幅や長さ、目数は作り方ごとに違うので、編むときはそれぞれの作り方で確かめてみてください。
作品2.シュシュ
シュシュには、リング状のヘアゴムに細編みを編みつけて作る作り方があります。
細編みとくさり編みを交互に編み、くさり編みの山を作っていく形が一例です。
ヘアゴムを編みくるみながら、細編みで1周する作り方もあります。
作品3.ミトン
子ども用ミトンには、手の甲の部分を長編みで、上の部分を細編みで編む作り方があります。
1つの作品の中で、長編みと細編みを部分ごとに使い分けている例です。
このミトンは輪に編む作品なので、本記事の往復編みとは編み進め方が違います。
作品4.ストール
かぎ針のストールには、編み上がった本体の周りに、細編みを1段編む作り方があります。
この1段の目的は、本体の周りに房飾りを付けることです。
細編みの練習に合う毛糸を触って選べる下北沢のKnit Shelf

練習に使う毛糸を選ぶとき、太さや色をどうするかで迷うこともありますよね。
下北沢のKnit Shelfでは、細編みの練習に使う毛糸を、実物に触れて太さや色を比べながら選べます。
取扱いのある毛糸は、DARUMA、ハマナカ、内藤商事、sawada itto、taiyo-keito、itobatake、KnitWit、丸安毛糸の60(ろくまる)などです。
練習に向く糸選びに迷ったときや、編み方がわからなくなったときは、その場で店員に相談してみてください。
毛糸は1玉から買えるため、練習用に少しだけ試したいときにも選びやすいですよ。
店内の編み物スペースは、予約なしで利用できます。
買い物の予定がない日も、作りかけの作品があれば利用できるのがうれしいところです。
店で選んだ毛糸を編む日にも、家で編みかけた作品の続きを編む日にも使えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 〒155-0033 東京都世田谷区代田6-6-1 TOKYU REIT下北沢スクエア3階 |
| アクセス | 井の頭線 下北沢駅西口北側から徒歩2分 |
| 営業時間 | 11:00〜17:00 |
| 定休日 | 不定休 |
| @knitshelf |
お休みの日は月によって違うので、来店の前に@knitshelfの投稿で休みを確かめておくと安心です。
まとめ
細編みでは、1目を編むあいだに糸を2回かけます。
針は、作り目の裏山にも前の段の目の頭にも、手前から向こう側へ入れるのが細編みのやり方です。
段の最初と最後の目の位置を守ると、目数をそろえて段を重ねられます。
次の1枚には、マフラーやシュシュなど、細編みが使われている作品を選ぶのもおすすめです。
作りかけの1枚も、Knit Shelfの編み物スペースに持っていけば、店内で続きを編めます。